小児科ブログ 2016.9.9
関西空港で発生した麻疹(はしか)の集団感染。
9月8日時点で感染者は43人となりました。
関東でも千葉市の幕張メッセや立川市のイベント会場で、
麻疹の発症者が参加していたことが分かり、感染の広がりが懸念されております。
厚生労働省によると、麻疹は、感染力の極めて強いウイルスが起こす感染症で、
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
空気感染では、同じ部屋や電車の中にいるだけでも感染することがあるとの事です。
感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れ、
2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹がでます。
肺炎、中耳炎を合併しやすく、先進国でも1000人に1人の割合で
死亡することもあると言われております。
日本での麻疹の状況は、2015年3月に世界保健機関(WHO)が
日本が麻疹排除状態であると認定しました。
これは麻疹排除に関する基準を全て満たしたことにより、
麻疹の排除状態にあることが認められました。
約3年間、日本で麻疹ウイルス株は出ていないことが言えますが、
この3年の間にも、今回と同じように麻疹の輸入株により感染した患者数は出ております。
麻疹はかかってしまったら、治療薬はなく、
かからないために、ワクチンの接種で予防するしかありません。
現在、麻疹ワクチンは2回接種となっておりますが、
ワクチン接種1回の可能性が高いのは、26歳~39歳の方であります。
現在、連日テレビなどメディアで麻疹(はしか)感染の流行ニュースが流れておりますので、
小児科、内科のクリニックに麻疹ワクチンの予約が殺到し、
麻疹ワクチンの供給はストップしました。
更に、MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)までも、予約が殺到し、
現在、供給がストップされております。
小児科クリニックでは、現在あるMRワクチンの在庫と予約状況を照らし合わせ、
綿密な在庫管理をしていく必要があるでしょう。