エンテロウイルスD68型

小児科ブログ 2015.10.28

日本小児神経学会の調べによると今年8月以降、各地で原因不明の体の麻痺を訴える子供が相次ぎ、
8月1日~10月25日までに21都府県で合計47人に上った。
このうち2人からエンテロウイルスD68が検出された。


また、東京都立小児総合医療センターに9月中旬から1ヵ月の間に子供150人が喘息に似た症状で入院し、
このうち20人以上の患者さんからエンテロウイルスD68が検出された。


エンテロウイルスD68型は1962年に発見された呼吸器感染症を呈するウイルスであり、
昨年、米国で1000人以上のエンテロウイルスD68型による下気道感染症が大規模に流行し、
麻痺を認める患者さんが多数報告されたことは記憶に新しいところです。


乳幼児や子供が発症しやすく、発熱やくしゃみ、鼻水などの軽症から、
気管支炎や肺炎などに至り、重症化すると脳神経機能に異常をきたす場合があり麻痺が残るケースもあるとの事例。


ウイルスに対するワクチンは今のところ無く、症状に応じた対症療法が中心です。
予防のために、こまめな手洗いと塩素系の消毒剤による消毒が有効です。